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伴走カレンダー| 9〜10月のテーマ

台風あとの点検と、
来期の修繕計画。

7〜8月は「被害が出る前の守り」でした。9〜10月は、台風が通ったあとの点検と保険申請で守りを仕上げ、そのまま来期の修繕・設備投資の計画に頭を切り替えます。実務は管理会社に頼めますが、言い出して指示するのは大家さんの役目。このページで「何を頼むか」を決めて、判断に迷うところだけ、私にご相談ください。

まず5分で | 動画版

動画で全体をつかんでから、下のチェックリストを管理会社への指示に使ってください。

メイン

修繕計画と被災チェック

やることは二つ。台風の被害を確認して保険を申請すること、そして来期に直すものを決めておくこと。管理会社の多くは、こうした仕事を定型業務として持っていません。待っていても動かないので、大家さんから声をかけてください。所要時間の目安は、被災チェックの指示と確認が15分、修繕計画の棚卸しが30分ほどです。

1台風後の被災チェックと保険申請

9月はまだ台風シーズンのまっただ中。動き方は二段構えです。目立った被害が出たら、その場で即動く。入居者から不具合の報告が上がってこないなら、10月後半に軽微な被害をまとめて拾い、まとめて申請します。7〜8月に撮った「壊れる前」の写真が、ここで効いてきます。

1
台風のたびに「目立った被害」がないかだけ確認する
入居者からの不具合報告、管理会社の巡回、ご自身の目。雨漏り、屋根材の飛散、ガラス割れなど目に見える被害があれば、その日のうちに管理会社へ。下の手順を待たずに、写真を撮って事故報告まで一気に進めてください。
2
目立った被害がなければ、10月後半に管理会社へ点検を頼む
台風シーズンが落ち着いたころに、管理会社へ次の一文をそのまま送ってください。
「台風のあとの建物の状態を確認したいので、外まわりを一周して写真を送ってください。屋根、雨どい、外壁、フェンス、カーポートをお願いします。7〜8月に撮った写真と同じ場所、同じ角度で撮ってもらえると助かります」
これだけで管理会社は動きます。近くの物件なら、ご自身で一周するのがいちばん確実です。撮っていなかった場合は、今からでも「現状」を一周分残しておきましょう。
3
変化があれば「全景+寄り」で被害箇所を撮る
どこの、何が、どう壊れたかが一目で分かる2枚セット。見落としやすい場所は下のとおりです。
屋根・棟板金 雨樋・軒先 外壁・サイディング ベランダ・手すり フェンス・門扉 カーポート・物置 アンテナ・看板
4
応急処置はしてよい。ただし「直す前」を必ず残す
雨漏りなどは待てません。ブルーシートをかける前に一枚、かけた後に一枚。管理会社に手配を頼むときも「直す前の写真を撮ってから」と一言添えてください。修理してしまってからでは、保険会社に被害を示せなくなります。
5
免責金額を確認し、軽微な被害は「まとめて」申請する
火災保険には免責金額(自己負担額)があります。被害額がこれを下回ると、保険金は1円も出ません。雨どいのゆがみ、フェンスの傾き、外壁のひび。一つずつでは免責に届かない小さな被害も、同じ台風シーズンの被害としてまとめて申請すれば、免責を超えて保険金が出ることがあります。まず証券の「免責」の欄を確認し、10月後半に拾った被害は一件ずつではなく、まとめて出してください。
6
代理店(多くは管理会社)に「事故報告をお願いします」と明確に頼む
「いつの台風で、どこが、どうなったか」を写真つきで。請求できる期限は法律上3年ですが、時間が経つほど「その台風のせい」と示しにくくなります。
ここで一つ、知っておいてほしい本音があります。保険金の請求手続きは、代理店にとって収益にならず、本業でもありません。だから動きが鈍いことがあります。「お願いします」ではなく「事故報告を出してください」と、はっきり指示してください。
それでも動かない、信用できないという場合は、保険会社のホームページにある事故受付窓口へ直接連絡・相談できます。ただし、関係のできている代理店を飛び越えると、その後の付き合いが悪くなります。まずは代理店に声をかけ、直接連絡は最後の手段に。
7
修理の見積は、管理会社の業者と、できればもう1社から
管理会社の提携業者だけだと、金額の妥当性が分かりません。もう1社、ご自身で選んだ業者の見積を並べると判断しやすくなります。「保険を使えば無料で直せます」と飛び込みで来る申請代行業者には注意。手数料で保険金の3〜4割を持っていかれたり、虚偽申請に巻き込まれたりするトラブルが増えています。

2来期の大規模修繕・設備投資の計画策定

修繕は「壊れてから直す」と、一番高くつく時期に、一番選べない状態で決めることになります。管理会社は長期の修繕計画まで持っていないのが普通です。秋のうちに大家さんが来期の候補を並べておくと、見積も資金も余裕をもって動かせます。

  • 管理会社に、修繕の履歴を出してもらう
    「この物件で、いつ、何を直したか一覧にして」と頼みます。出てこなければ、これまでの工事の請求書や報告書をこちらで集めるだけでも十分です。
  • 築年数と、主要設備の交換目安を照らし合わせる
    給湯器は10〜15年、エアコンは10〜13年、外壁塗装は10〜15年、屋上・ベランダ防水は10〜12年が一つの目安。目安を過ぎているものに印をつけてください。
  • 「来期にやる」と「先送りする」に分ける
    雨漏り・給湯・防水など「止まると入居者に迷惑がかかるもの」は来期。見た目の更新は、退去や空室のタイミングに合わせてでも構いません。
  • 概算費用を仮置きし、お金の出どころを確認する
    手元資金で足りるか、借入が要るか、自治体の補助金(省エネ設備・耐震など)が使えるか。ざっくりでよいので、来期の資金繰りに一行入れておきます。
  • 見積は年内に取り始める
    年度末の1〜3月は工事業者が混みます。管理会社に1社、ご自身で1〜2社。今から声をかけておくと、来期の着工を自分のペースで決められます。
サブ

更新前の退去防止策

来春の更新は、半年前の今から仕込むと効きます。入居者が「更新するかどうか」を考え始めるのは、通知が届く前です。

3更新6ヶ月前からの、退去防止の仕込み

退去が一件出ると、原状回復・空室期間・募集費用で家賃の数ヶ月分が消えます。いま住んでいる人に「もう一回更新しよう」と思ってもらう方が、新しい入居者を探すよりずっと安上がりです。

  • 管理会社に、来春の更新予定者の一覧を出してもらう
    「3〜4月に更新期限が来る部屋を一覧にして」と頼みます。管理会社は更新通知の直前まで見ていないことが多いので、こちらから半年前に聞くのがコツです。
  • 聞き取りは管理会社に頼み、質問はこちらで用意する
    「困っていることはありませんか」の一言を、点検や連絡のついでに添えてもらいます。任せきりにすると聞いてくれないので、聞いてほしいこと(設備・騒音・共用部など)を3つほど紙にして渡すと動きます。
  • 小さな不満は、更新前に直すよう指示する
    共用部の汚れ、古い照明、建てつけの悪いドア。数千円〜数万円で直るものが、更新の判断を左右します。管理会社は「言われていない」と動かないので、金額の上限を決めて「この範囲なら直してよい」と伝えておくと早いです。
  • 更新条件を相場と照らし、引き止めの一手を用意する
    周辺の募集家賃と比べて割高なら、更新料の減額や設備の追加など、こちらから出せるカードを先に決めておきます。

「誰に、どこまでやるか」は物件と入居者ごとに違います。手をかける相手の選び方や、引き止め条件の線引きは、下の相談で一緒に決めましょう。

教材

もっと深く知りたい方へ

今回のテーマに直結する教材です。Udemy講座は、社外取締役コース会員の方には無料クーポンを進呈しています。Kindle本は、PDF版を会員サイトに置いています。どちらも会員サイトからどうぞ。

AI道具箱 | 今回のテーマで使えるツール・プロンプト

火災保険「これって出る?」
ツール | 被災チェック・保険申請
火災保険「これって出る?」
破損や汚れが火災保険で請求できるか、AIが「不測かつ突発的な事故」の3要件で整理。代理店への伝え方までサポートします。
ツールを開く
現場の異常を管理会社へ的確にパスする報告メール
プロンプト | 被災チェック
現場の異常を管理会社へ的確にパスする報告メール
台風後に見つけた不具合を、管理会社が動きやすい形に整理した報告メールを作ります。
プロンプトを開く
対応が遅れている案件への、波風を立てない催促メール
プロンプト | 保険申請
対応が遅れている案件への、波風を立てない催促メール
代理店や管理会社の事故報告が進まないとき、関係を壊さずにそっと催促するメールを作ります。
プロンプトを開く
バリューアップ提案に対する、冷静な逆質問リストの作成
プロンプト | 修繕計画
バリューアップ提案に対する、冷静な逆質問リストの作成
業者や管理会社からの設備投資提案を鵜呑みにせず、投資判断に必要な逆質問を洗い出します。
プロンプトを開く
周辺家賃相場 定点観測シート
ツール | 退去防止
周辺家賃相場 定点観測シート
更新条件を相場と照らすために、周辺の家賃相場を毎月同じ条件で記録するスプレッドシートです。
シートを開く
ポスティング用の、ちょっとした季節の気遣いカード
プロンプト | 退去防止
ポスティング用の、ちょっとした季節の気遣いカード
更新前の入居者に、季節の挨拶と気遣いを添えた一言カードの文面を作ります。
プロンプトを開く

ほかのツールやプロンプトは大家さんのAI道具箱にまとめてあります。

Udemyの無料クーポンとKindle本のPDF版は、会員サイトにログインしてご利用ください。

ここから先は、一人で抱えないで

こういう時は、ご相談ください。

上の「自分でできること」を済ませたうえで、次に当てはまるものがあれば、それはあなた個別の判断が要る場面です。遠慮なく投げてください。

  • →軽微な被害がいくつかある。免責金額を超えるか、まとめて申請できるか判断がつかない
  • →管理会社(代理店)が事故報告に動いてくれない。飛び越えて保険会社に連絡してよいか迷う
  • →保険会社から減額や不払いの回答が来て、どう返せばよいか分からない
  • →来期の修繕の優先順位や、予算の配分を一緒に決めたい
  • →大規模修繕の見積が妥当な金額か、第三者の目で見てほしい
  • →退去しそうな入居者がいて、引き止めの条件をどこまで出すか迷っている

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